日本人の中で、ピカソを知らない人はいないといっても過言ではないでしょう。
この作家は、生涯に1万以上の油絵と、10万点以上の版画、数万の挿絵、数百の陶器を作っており、ギネスブックに登録されるくらいの作品を残しています。
それだけでもすごいのですが、ピカソのすごさはほかにもあります。
それは写実の作品の出来が素晴らしいのに、抽象画においてはその時代の特徴を最大限に表現できる点でしょう。
例えば青の時代は彼が、貧しかった時代の暗さを表現していますし、バラの色の時代においては、恋人を得た明るさを最大限に取り入れています。
そのうえで反戦へのメッセージも得意としており、ゲルニカは爆撃で苦しむ多くの大衆を、怒りを込めて表現しているということがよくわかるようになっています。
このように抽象画だけでなく、その場の感情その時代の人々の心を代弁する描写力こそが彼のすごさでしょう。
単に数多く作品を残しているからではなく、その質こそが彼のすごさです。